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VJをする類人猿がVJやそれらの周辺に関する雑感を文章化するブログ

旅の記録 2008-05-25(1) サンクトペテルブルク

flat_ninja2009-01-02

昨日はパンを食べてテレビを眺めてそのまま眠る。03:00時頃目を覚まし再び寝、05:00時頃目を覚ましテレビは消して電気は消さずにまた寝る。最終的には07:30頃ベッドから出てシャワーを浴びる。


昨日はあまり気にしていなかったがシャワーを浴びると、うわさ通りシャワーのお湯が磯臭い上にほんのりと茶色く色づいている。これはサンクトペテルブルクが海岸沿いの湿地帯を埋め立てて出来ている地理的問題で海水を汲み上げて使っているからなんだろうけど(詳細は不明だがモノの本によると細菌を多く含むため歯磨きの際にも口には含まない方が安全とのこと)ずーっとシベリアを通って海の近くまで来た事を感じる。
シャワーを浴びたあと薄茶色の水でTシャツや靴下を洗うがこの一週間着ていたTシャツは薄茶色水に負けない汚れを出しているので多少磯臭くなろうとも良しとする。


09:00 朝食。パン、チーズ、ハムなんかが用意されていてるが、ミニホテルなので食事用のスペースは無く適当に取って部屋で食べるシステムのようだ。ハム、チーズをパンにはさんで食べる。ロシアに来てから一番まともな朝食をとっている。鉄道で一緒だったジミールに倣って甘い紅茶を一杯とコーヒーを一杯飲んでこの旅の目的その2の”エルミタージュ美術館”へと出かける。外は風邪が強いがよく晴れている。


11:00 旅の目的その2である”エルミタージュ美術館”へ到着。ホテルからは15分くらいの距離だがロシアは1区画が妙にでかく地図で2、3ブロック先になると曲がり角はかなり遠く感じる。ロシアは土地が余ってるのだろうか。




中に入るとずいぶんと混んでいる。入場料とカメラ持ち込み料金を払い、荷物をクロークへ預け展示室へ。”エルミタージュ美術館”はエカテリーナ2世が美術収集を始めた事が起源となる美術館で、何しろ収蔵されている作品数が多すぎて美術館でも把握しきれておらず収蔵品リストは作っているが完成はだいぶ先の話で、何でも毎年かなりの数の美術品が盗難あるいは紛失という状況になっているが何がを無くなっているのすらはっきりしない。なんて話を聞いたのが行ってみたくなった理由の一つである。






ヨーロッパの美術館は初めて訪れるので他と比較しようがないが、日本の美術館と比べると壁一面にこれでもか、という量で絵が展示してある。日本の美術館の様に白壁に間を置いて展示してある状況に慣れていると、内装が既にコッテリしている上にこれまたコッテリした絵が飾ってあるせいか数時間もいると絵と内装に酔ってくる。


『キリスト泣きのギターソロ』




展示してある多くの作品が宗教画で、宗教画と一口に言っても色々あるがしばらく見て回ると同じモチーフの絵が何点もある事に気づく。宗教画に置ける人気のシーン、物語のハイライトと呼べる「受胎告知」とか「張り付けられてるキリスト」とか。時代が経つにつれモチーフとなるシーンにも多様性は観られるのだが、逆に時代を遡れば遡るほどにモチーフはどんどん絞られていく。

キリストが十字架から降ろされるシーンもその人気シーンの一つでこのモチーフだけで何点あっただろうか。あまりに多く観すぎたせいか最後にキリストは酔って介抱されている半裸の人にしか見えなくなる始末。もう10年分はキリストの顔を観た気になった。


『酔って介抱されるキリスト』


エルミタージュ美術館”も目玉の一つがレオナルド・ダ・ヴィンチ作『リッタの聖母』大きな美術館の中でも唯一この作品の展示室へは行列ができている。列に並んで絵画鑑賞。他にも数点ダ・ヴィンチの作品が展示してあったがダ・ヴィンチの作品はどれも細部への書き込みが異常で、メインのモチーフ以外の背景にも全てピントが合っているため同じような構図の他の絵に比べると密度が高いように見える。こんな所がダ・ヴィンチを天才と言わしめたかどうかは知らないが、少なくとも他の画家の絵に比べると異彩を放っている。列にならんでもこの作品は観ておく価値があるはず。


『リッタの聖母』へ続く列


一枚の絵に集まる

『リッタの聖母』



入館して5時間弱。エルミタージュ美術館はバカみたいにでかい上に似たような部屋が多いので案内図片手に歩いても迷う始末。全ての部屋を観たわけではないがお腹も減ったし疲れたのでエルミタージュ観光は終了。エカテリーナ2世のプライベートルームなんかも含めて絵画だけでなく宮殿の内装も興味深く観ていて飽きない。次にサンクトペテルブルクへ行く事があったらもう一度ゆっくりと観て回りたい美術館である。



たぶん”王の間”だったような

”ブドゥアールの部屋”