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VJをする類人猿がVJやそれらの周辺に関する雑感を文章化するブログ

旅日記 2008-05-27 (Tue) サンクトペテルブルク〜キエフ-2

日が変わる頃”ホステルキエフ”へ到着。


あの後起こった出来事を思い出す。直前のイミグレーションカードを書き込んでいる状況のメモがのんきすぎる。


あのメモを取った後に入国管理官とおぼしき人物が二人やってきたので、パスポートを見せるが反応が芳しくない。「ビザがないが、どうした?」と聞かれたので「無い」と答えると、「ここはベラルーシなので通過にビザが必要だ」とのこと。二人は少し話し合い「とりあえず荷物をまとめて電車を降りろ」という指示。ベラルーシを通らないためにサンクトペテルブルクからドイツへ直接向かわずにモスクワの南にあるキエフに抜けようとしたのにもかかわらず、キエフへ行くにもベラルーシを通るとは。なんたるリサーチ不足か。手早く荷物をまとめると同室の人にサヨナラを言い電車を降りる。この時14:30頃。


電車を降りると森の中。そこにポツンと管理官の事務所がある。鳥の鳴き声以外に音のしない森の中、すごい量の蚊が飛んでいる。
中へ通され待合室で「少し待て」の指示。管理官はまた電車へ。残りのパスポートチェックへ向かうらしい。
しばらくして管理官が事務所に戻ってくるとキエフ行きの電車はゆっくりと出発した。


取って食われるわけでもなく、ビザが無い状態ではベラルーシに居続けるわけにも行かないので何らかの形で出国できるだろうし、どうにもなりそうになかったら日本大使館にでも連絡をとってもらおうと思ったので、この後どういう展開になるものかぼんやりと考えていると、事務所から出て来た管理官が「キエフへ行くのか?」と聞くので「そうだ」と答えると、「金は持っているか?」と聞いてくる。「少しなら」と答えると「車で一旦ロシアへ戻りベラルーシを通らないルートでウクライナへ入れ。そして値段は200ドルだ」と言う。
この高いのか安いのか、はたまた妥当なのかわからない値段を提示され、少し考えたが他にここからウクライナへ入る方法も思い浮かばないのと、手持ちの現金で払えるのでその案で行く事にした。「車を呼ぶから少し待ってろ」と言ってまた事務所の中へ。この方法が一番簡単にウクライナへ入れるのと同時に管理官の対応が早かった所を見るとこういったケースはよくあるのだろう。


一応ウクライナへ向かう方法は決まったが、少し困った事になったと思い、とりあえず地球の歩き方に載っているベラルーシ日本大使館へ電話をかける。しばらくの呼び出し音の後電話口に男の声が。「こちら日本人の旅行者でして…」と切り出すと電話の向こうからすごい勢いでまくしたてられ電話を切られる。唯一「日本人」という単語だけ理解できたところから考えるに日本大使館の電話番号は変更されているのに以前の番号にちょいちょい大使館あての電話があり、それに対して現在番号を使っている人が怒っているのではないか、と。唯一の連絡先の情報も違っている状況では車に乗ってウクライナへ向かうしかない。


しばらくすると「車が来た」と管理官。外へ出るとこぎれいなフォードのステーションワゴンと、気の良さそうな頭のはげ上がったオッサンが1人いた。タバコを一本吸って荷物を積み込み、15:30頃、車は静かな森の中を走りだす。